中国政府は、市場経済を進めていく上でも、この国が保有する株式の割合を段階的に引き下げていかなければならないと考えています。しかし、新たな株式を発行する事は、株式における需要と供給のバランスを崩す事になるので、既存の株主の利益をそいでしまうという大きな問題を抱えています。
中国政府(国務院)は、2002年6月に国有企業の非流通株の市場公開実験を行っています。この時は、上海の株式指数が5カ月間で30%と一気に下がりました。そこで中国政府は、国有株の放出を急遽中止(国有株を放出する事を後回しに)して、とりあえず株式市場の発展を優先させるという政策に転換します。2002年6月23日には、国有株放出に関する暫定規則の一部半永久的凍結を発表しました。その翌日は、上海と深センの両株式市場において10%の値上げ幅を記録してストップ高となる銘柄が続出しました。
でも、あれから3年を経た今ごろ(2005年6月)になって、中国政府が非流通株を放出したがっている(再び実験に乗り出した)事には理由があります。どうやら中国政府は、非流通株を放出して回収した資金を利用して、社会保障の基金として充てることを考えているようです。現在、大幅な赤字を出している多くの国有企業が年金を納めておらず、政府の年金基金がかなりピンチな状況になっているのです。中国の人口増加もあるので、これから財政状況はどんどん厳しさを増す可能性があるのです。
こうした事情を良く理解している投資家たちは、国有株が一気に放出される事により運用している株の価値が半減してしまう事を非常に恐れています。中国政府は「現状の株主の利益を損なう事のない様々な政策を考えている」としています。しかし、投資家からすると政府の決定ひとつに自分の大切な資金を預けるというまるでギャンブルのような行為を行うわけにはいきません。このような不信感が積み重なり、現在の指数大幅低下を引き起こしています。
中国本土市場が抱えている問題は、何もこの国有株放出問題だけではありません。他にも企業が発表している会計に関する審査がほとんど行われていないという問題も指摘されています。かつてアメリカのエンロンとアンダーソン会計事務所という会社がこうした事を行って問題になりましたが、中国の場合は表面化しないだけで、多くの会社がこうした行為を行っている可能性が指摘されています。
私は、こうした現状のなかで中国本土市場に投資する気はまだありません。しばらく様子を見ようと思っています。「それじゃあ、遅いかもしれない」「乗り遅れるかもしれない」と思うかもしれないですが、乗り遅れる不安よりも、大切な資金を中国市場に預ける方がずっと不安です。乗り遅れても現在の資金は無くなりませんが、投入した資金は無くなるかもしれませんので。
参照:
中国の株価、6年ぶり最安値更新 「非流通株」改革を嫌気
FujiSankei Business i. 2005/5/11
平成17(2005)年6月7日[火]
上海株下落止まらず 国有株放出、不安誘う 「国際市場」へ険しい道
中国情報局:国有株放出凍結2003/01/08
中国情報局:国有株放出停止の重大意義を探る
市場には好影響も、問題先送りとの見方が多数
発信:2002/06/26(水) 11:13:27
2005.06.08 Hiropon
中国政府(国務院)は、2002年6月に国有企業の非流通株の市場公開実験を行っています。この時は、上海の株式指数が5カ月間で30%と一気に下がりました。そこで中国政府は、国有株の放出を急遽中止(国有株を放出する事を後回しに)して、とりあえず株式市場の発展を優先させるという政策に転換します。2002年6月23日には、国有株放出に関する暫定規則の一部半永久的凍結を発表しました。その翌日は、上海と深センの両株式市場において10%の値上げ幅を記録してストップ高となる銘柄が続出しました。
でも、あれから3年を経た今ごろ(2005年6月)になって、中国政府が非流通株を放出したがっている(再び実験に乗り出した)事には理由があります。どうやら中国政府は、非流通株を放出して回収した資金を利用して、社会保障の基金として充てることを考えているようです。現在、大幅な赤字を出している多くの国有企業が年金を納めておらず、政府の年金基金がかなりピンチな状況になっているのです。中国の人口増加もあるので、これから財政状況はどんどん厳しさを増す可能性があるのです。
こうした事情を良く理解している投資家たちは、国有株が一気に放出される事により運用している株の価値が半減してしまう事を非常に恐れています。中国政府は「現状の株主の利益を損なう事のない様々な政策を考えている」としています。しかし、投資家からすると政府の決定ひとつに自分の大切な資金を預けるというまるでギャンブルのような行為を行うわけにはいきません。このような不信感が積み重なり、現在の指数大幅低下を引き起こしています。
中国本土市場が抱えている問題は、何もこの国有株放出問題だけではありません。他にも企業が発表している会計に関する審査がほとんど行われていないという問題も指摘されています。かつてアメリカのエンロンとアンダーソン会計事務所という会社がこうした事を行って問題になりましたが、中国の場合は表面化しないだけで、多くの会社がこうした行為を行っている可能性が指摘されています。
私は、こうした現状のなかで中国本土市場に投資する気はまだありません。しばらく様子を見ようと思っています。「それじゃあ、遅いかもしれない」「乗り遅れるかもしれない」と思うかもしれないですが、乗り遅れる不安よりも、大切な資金を中国市場に預ける方がずっと不安です。乗り遅れても現在の資金は無くなりませんが、投入した資金は無くなるかもしれませんので。
参照:
中国の株価、6年ぶり最安値更新 「非流通株」改革を嫌気
FujiSankei Business i. 2005/5/11
平成17(2005)年6月7日[火]
上海株下落止まらず 国有株放出、不安誘う 「国際市場」へ険しい道
中国情報局:国有株放出凍結2003/01/08
中国情報局:国有株放出停止の重大意義を探る
市場には好影響も、問題先送りとの見方が多数
発信:2002/06/26(水) 11:13:27
2005.06.08 Hiropon
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