>輸入依存度の高まり
中国の原油事情について、まずは原油の供給側から見てみたいと思います。
中国は90年代前半に原油の純輸入国に転じて以来、輸入依存度は年々高まっています。
輸入依存度は2000年の段階で30%を超えており、2020年には中国の輸入依存度は60%になるという試算が日本エネルギー経済研究所によって成されています。特に経済成長が著しかった、今年2004年1月~8月における国家会関総署の統計では、既に石油輸入依存度は既に4割を超えており、昨年より7.4ポイントも急上昇しました。
原油の輸入依存度の高まりに中国政府も対策を打とうとしています。その一つが、中国3大石油における海洋開発資源開発計画です。中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)と中国石油化工(シノペック)と中国海洋石油(CNOOC)に対して、それぞれ南沙諸島、渤海・東シナ海、春暁ガス田などの開発権利を優先的に割り振っています。こうした沿岸に面した地域の油田開発を国内大手原油会社に任せることで、将来の輸入依存率の引き下げと安定供給を狙っています。
ここで余談となりますが、90年代における中国人民解放軍(海軍)への役割に変化がみられています。従来の海軍は、沿岸警備だけだったのですが、沖合いに進出して沿岸地方を防衛する戦略へと転換されてきています。要因を2つあげるとすると、1つが80年代以降の改革・開放政策の中で起こった沿岸部での経済発展によって、さらに沿岸警備の強化が必要となったこと。もう1つが、90年代前半に石油の純輸出国となったことでの中国国内における「シーレーン防衛」議論の浮上です。東シナ海や南シナ海での原油の権益を軍事的側面でもカバーしておこう、むしろ軍事的戦略として重要な位置づけとされているのでしょう。最近になって、日本や周辺諸国と中国の国境付近で起こっている対立も、こうした中国の原油事情が背景の一つとなっています。
>需要量の高まり
議論を戻して今度は、中国の原油需要の方に目を向けてみたいと思います。97年の時点で400万バレル程度であった中国の石油需要量は、2003年には600万バレルを超えました。わずか6年の間に需要が1.5倍になったことになります。この需要量を賄うために、海外での依存度を増加させて原油の確保を間に合わせたのですが、今度は原油の精製が間に合っていません。ご承知のとおりかと思いますが、原油は、製油所で様々な石油製品(ガソリン・灯油・軽油など)に精製されます。消費に対応するには、原油確保の他にこれらの製油所も必要となるのです。
そこで、中国国内の石油会社だけでは近年急速に増加する需要には、精製も間に合わないと考えた中国当局は、外資企業に頼ろうとします。日本の会社では、今年6月に発表された中国石油(ペトロチャイナ)と新日石との石油精製での提携です。日本では不景気や省エネ化などがあって、需要量が99年の430万バレルから2003年には400万バレル程度へ低下しています。そのため、新日石などの石油精製能力に過剰が見られます。一方の中国では、石油製品の供給が追いつかない懸念が一段と高まっています。この両者の思惑が一致しての提携となりました。
さらに、中国では欧米企業との強力も加速しています。英蘭ロイアル・ダッチ・シェルや米エリクソンモービルなどの欧米メジャー(国際石油資本)が中国でガソリンスタンドの展開に着手すると9月の日経で報じられていたのを覚えていますでしょうか。シェルは中国石油化工(シノンペック)と合弁で石油販売会社を設立したそうで、江蘇省に500百ヵ所の給油所を出店します。また、エクソンは近く中国石油化工(シノンペック)とアラムコ(サウジアラビア国営石油会社)と合弁で石油販売会社を設立する計画で、政府に認可申請中としています。英BPにおいても中国石油(ペトロチャイナ)やシノンペックと、それぞれ数百ヵ所の販売所の展開を計画しています。このような外資の進出は、今後の原油需要の中でさらに加速するとの見方が強いです。
2004年10月27日のヒロポンの中国株日記を修正したものです。
言葉足らずも多いですが、今後加筆したいと思っております。
Hiropon
中国の原油事情について、まずは原油の供給側から見てみたいと思います。
中国は90年代前半に原油の純輸入国に転じて以来、輸入依存度は年々高まっています。
輸入依存度は2000年の段階で30%を超えており、2020年には中国の輸入依存度は60%になるという試算が日本エネルギー経済研究所によって成されています。特に経済成長が著しかった、今年2004年1月~8月における国家会関総署の統計では、既に石油輸入依存度は既に4割を超えており、昨年より7.4ポイントも急上昇しました。
原油の輸入依存度の高まりに中国政府も対策を打とうとしています。その一つが、中国3大石油における海洋開発資源開発計画です。中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)と中国石油化工(シノペック)と中国海洋石油(CNOOC)に対して、それぞれ南沙諸島、渤海・東シナ海、春暁ガス田などの開発権利を優先的に割り振っています。こうした沿岸に面した地域の油田開発を国内大手原油会社に任せることで、将来の輸入依存率の引き下げと安定供給を狙っています。
ここで余談となりますが、90年代における中国人民解放軍(海軍)への役割に変化がみられています。従来の海軍は、沿岸警備だけだったのですが、沖合いに進出して沿岸地方を防衛する戦略へと転換されてきています。要因を2つあげるとすると、1つが80年代以降の改革・開放政策の中で起こった沿岸部での経済発展によって、さらに沿岸警備の強化が必要となったこと。もう1つが、90年代前半に石油の純輸出国となったことでの中国国内における「シーレーン防衛」議論の浮上です。東シナ海や南シナ海での原油の権益を軍事的側面でもカバーしておこう、むしろ軍事的戦略として重要な位置づけとされているのでしょう。最近になって、日本や周辺諸国と中国の国境付近で起こっている対立も、こうした中国の原油事情が背景の一つとなっています。
>需要量の高まり
議論を戻して今度は、中国の原油需要の方に目を向けてみたいと思います。97年の時点で400万バレル程度であった中国の石油需要量は、2003年には600万バレルを超えました。わずか6年の間に需要が1.5倍になったことになります。この需要量を賄うために、海外での依存度を増加させて原油の確保を間に合わせたのですが、今度は原油の精製が間に合っていません。ご承知のとおりかと思いますが、原油は、製油所で様々な石油製品(ガソリン・灯油・軽油など)に精製されます。消費に対応するには、原油確保の他にこれらの製油所も必要となるのです。
そこで、中国国内の石油会社だけでは近年急速に増加する需要には、精製も間に合わないと考えた中国当局は、外資企業に頼ろうとします。日本の会社では、今年6月に発表された中国石油(ペトロチャイナ)と新日石との石油精製での提携です。日本では不景気や省エネ化などがあって、需要量が99年の430万バレルから2003年には400万バレル程度へ低下しています。そのため、新日石などの石油精製能力に過剰が見られます。一方の中国では、石油製品の供給が追いつかない懸念が一段と高まっています。この両者の思惑が一致しての提携となりました。
さらに、中国では欧米企業との強力も加速しています。英蘭ロイアル・ダッチ・シェルや米エリクソンモービルなどの欧米メジャー(国際石油資本)が中国でガソリンスタンドの展開に着手すると9月の日経で報じられていたのを覚えていますでしょうか。シェルは中国石油化工(シノンペック)と合弁で石油販売会社を設立したそうで、江蘇省に500百ヵ所の給油所を出店します。また、エクソンは近く中国石油化工(シノンペック)とアラムコ(サウジアラビア国営石油会社)と合弁で石油販売会社を設立する計画で、政府に認可申請中としています。英BPにおいても中国石油(ペトロチャイナ)やシノンペックと、それぞれ数百ヵ所の販売所の展開を計画しています。このような外資の進出は、今後の原油需要の中でさらに加速するとの見方が強いです。
2004年10月27日のヒロポンの中国株日記を修正したものです。
言葉足らずも多いですが、今後加筆したいと思っております。
Hiropon
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